かわさき起業家オーディションビジネス・アイデア シーズ市場 第81回最終選考会(2013年2月8日開催)

Entry.5


ビジネスアイディアのテーマ

『遠隔手話通訳「モバイルサイン」〜いつでも、どこでも手話通訳を〜』

ビジネスアイデアの提案者

株式会社シュアール

大木 洵人 (オオキ ジュント)

【神奈川県藤沢市】

かわさき起業家大賞

川崎商工鍵所会頭賞

八千代賞

会場応援賞

大木 洵人 さん

 

 

ビジネスアイディアの概要について

  現在、市町村で手話通訳が提供されているが、利用範囲は病院や学校などの公的利用に限られており、買物などの私的利用は通訳料と交通費を自ら負担する必要がある。また、通訳者の移動が必要なため、短時間での利用や緊急時の利用は難しい。
弊社は、テレビ電話を介した手話の通訳サービスを提供している。
店舗や受付での急な聴覚障がい者の来客に対して、インターネット回線に繋いだタブレットPCやパソコンを設置し、弊社の手話コールセンターにテレビ電話を掛ける事で、いつでもどこでも手話の通訳を利用する事が出来るようになる。
人が実際に移動するわけではないので、短時間での利用と緊急事態での利用に対応できるようになる。
本サービスは設置する事業者側から月額料を頂く形だ。聴覚障がい者は無料で手話通訳を利用でき、民間企業としても聴覚障がい者がロイヤルカスタマーとなると考えられる上、バリアフリー対応をしている優良企業として内外にアピールが出来る。

新規性・優位性について

  これまでの手話通訳は実際に人が移動して対面で行うのが一般的だった。一方、今までのテレビ電話では手話通訳を行うほどの解像度や映像の滑らかさがなかった。
しかし、タブレットPCや高速移動体通信など、近年の技術革新で遠隔地からでも十分な手話通訳を提供できるようなった。これにより、今までの対面通訳ではカバーできなかった隙間の通訳を行う事が可能となった。
今こそ、事業拡大を始める絶好のタイミングである。
現状の技術をもってすれば、今まで存在しなかった新しい手話通訳の市場を作り出す事が可能であり、聴覚障がい者の利便性拡大と手話通訳者の雇用確保に繋がる。
更に、英語・中国語・韓国語を提供する会社と提携し、外国人観光客などにも対応出来るようになり、インバウンド対応とバリアフリー対策が一つの製品で実現が出来るようになった。


市場について

主なターゲット・市場の規模

障害者手帳を持っている聴覚障がい者は全国で約36万5千人にいる。商業施設、行政の窓口など聴覚障がい者が利用する場所は数多く存在し、そういった場所へ販売する。
事業者側は本サービスの導入により、顧客満足度向上、ユニバーサル対応、社会貢献、他社との差別化が出来る上、聴覚障がい者の顧客増と企業ブランド向上による顧客増が見込める。

市場での競争力

弊社の製品は手話という特殊な市場を扱っているため、そもそもこの業界自体参入企業が少ない。我々は2008年の創業以来、聴覚障がい者のQOL向上に努めてきたため、聴覚障がい者内での認知度やブランド力は高いと言える。
一方、障害者基本法が2011年7月に改正され、手話を言語と位置付ける法律が成立した。今後は行政を始め、多くの場所で手話の対応が求められるようになるであろう。

実現性について

実施スケジュール

既に遠隔手話通訳サービスは一部の企業に納入済みである。今後は、障害者雇用や緊急電話対応、個人向け利用への促進などを更に進め、利用者を拡大する計画だ。
英中韓を含めた複合モデルが、盛岡市内の公共機関にも入っている。これらも提携企業と共に民間企業、行政向けに販売を拡大していく予定だ。

実施場所

提供先:全国
手話コールセンター:藤沢本社内、川崎コールセンター

実施体制

13名

ビジネスパートナー

現在、テルテルコンシェルジュを共に進めている英語・中国語・韓国語の通訳会社と販売代理店が主なビジネスパートナーである。その他、通信会社との提携により営業促進を行っている。

リスクとその管理

今後の大きなリスクとして、大手企業の参入が考えられるが、この業界では我々が2008年の創業時から着手しており、既に基礎を築いている。
また、弊社の通訳者は全て厚生労働省認定の手話通訳士であり、急な参入では我々と同じだけの品質を確保するのはほぼ不可能だと考えられる。

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