「デジタルヒューマン」によるオートメーション越境AIコマース

会社紹介

当社は、化粧品や日用雑貨の輸出入、国内・国際物流の代行などを手がける物流企業です。代表の私、山口は20歳から物流業界に従事していました。大手物流会社で10年間の勤務を経たのち、さまざまな物流の現場で約35年の実績があります。2008年からは中国を拠点にし、日本企業と現地企業のタイアップや商品マッチングなどに取り組み、2017年8月に独立。コロナ禍によるオンライン販売の急拡大をきっかけに、川崎に物流センターを増設し、本格的に事業をスタートしました。中国での実績によって築いた物流ネットワークを活用し、国内外へのスムーズな配送で、着実に成果を上げています。

「日本国内だけでなく、海外に向けた物流事業に挑戦したい」という想いは、会社員時代から抱いていました。自分の考えや企画が、上司や経営層になかなか伝わらないことに対しもどかしさを感じるようになっていく中で、最終的に独立を決意したのは「物流業界で培った経験を活かして、自分の意志で、お客さまのニーズに応えられるサービスをつくりたい」という想いが揺るぎないものへとなったからです。この想いを原動力に、これからも新しい物流の形を創造していきます。

基本情報

ロジウィルグローバルサプライ株式会社

〒210-0833
神奈川県川崎市川崎区桜本2-32-1 川崎SRC 3F

私たちは以前より、物流の省人化・自動化に取り組んでまいりました。というのも、現場は人件費の高騰や急な欠員による生産力の低下といった課題を常に抱えていたからです。特にコロナ禍では、感染による現場停止のリスクもありました。こうした課題を解決するための方法を模索していましたが、その中で「デジタルヒューマン(アバター)」に着目しました。

これまで当社が運営してきた中国向け越境ECショップでも、リアルなインフルエンサーやKOL、KOC(中国で影響力のあるインフルエンサー)によるライブ配信機能は搭載していました。商品を売りたいメーカー様のご要望に応じて実在のキャストを選定し、出演オファーから制作まで、すべて当社が担当していました。しかし、実在の人物をキャスティングするには相応の費用がかかります。2時間の出演で、安くても10万~20万円。あっという間に数十万~100万円規模に料金は膨れ上がります。そのため、中小企業のメーカー様にとっては負担が大きく、長期スパンで定期的にライブコマースを続けることは、現実的ではありませんでした。しかし、単発の配信では中国の消費者から「一発屋」のような印象を持たれてしまい、ブランドファンを根付かせることができません。さらに、予定のキャストが当日に体調を崩して出演できなくなることも多々ありました。こうしたリスクを回避するためにも、デジタルヒューマンは有効なのではないかと考えました。実在する人間や仮想のキャラクターから生成されたデジタルヒューマンは安価で利用できますし、外見や声色、動きまで、実際の人間のように活動できます。また、24時間対応が可能で、夜間も商品説明を行うことができるので、これまで以上に購買につながりやすくなります。

これらのデジタルヒューマンのメリットと、以前から進めてきたロボットによるピッキングを組み合わせて「24時間自動販売・自動出荷・フルオートメーション」の構想が生まれました。デジタルヒューマンが24時間体制で商品を販売し、注文された商品はピッキングから出荷までロボットが対応する。これが実現すれば、EC販売と物流を完全に自動化することができます。こうして生まれたビジネスモデルが「Logiwill24.ai(ロジウィル24ドットエーアイ)」 です。

「Logiwill24.ai」は、生成AIのデジタルヒューマンとロボティクス物流を掛け合わせた新しい越境ECサービスです。24時間のライブ配信を可能にし、独自の自動ピッキングシステムで注文後の出荷作業をスムーズに自動化。「24時間、商品が売れ続け、配送され続ける」仕組みを実現します。

大きな強みは、キャンペーンやイベントの告知をライブ配信の中に柔軟に組み込めることです。24時間にわたり配信を続けるので、例えば「本日9時から〇〇%オフ!」といった、時間限定のディスカウントの告知を商品紹介の中に加えることも可能になります。さらに、録画した商品説明や使用方法の動画をクライアントのECサイトやLP(ランディングページ)に組み込むことができるので、ただ配信するだけではなく、商品紹介コンテンツとしても活用できるメリットがあります。

また、42か国の言語と600種類の音声に対応できることも大きな特徴です。従来のライブ配信では言葉の壁が大きく、通訳を介す必要がありましたが、通訳のキャスティングに追加で費用がかかる上、伝わりづらいという課題がありました。デジタルヒューマンを活用すれば通訳なしでも、世界中の消費者に効率的に商品をPR・販売することができます。

本格的にライブコマースを運用するには、さまざまなコストがかかります。例えば、快適に使えるようにするためのシステム開発や機能向上です。サービスが拡大すれば、それに伴うトラブル対応やカスタマーサポートの負担も増えます。また、安定した運用を続けるために保守・メンテナンスの体制を整えることも不可欠です。こうした課題をクリアするには十分な資金が必要となるため、現在は資金調達に向けた調整を進めています。この事業はまだテスト段階ですが、実際の事例を積み重ねながら、最終的にはメジャーブランドとのタイアップを目指しより広く展開していく計画です。大勢に向けたライブ配信だけでなく、いずれは1対1のコンシェルジュ的なデジタルヒューマン配信にも挑戦したいと考えています。個人個人の趣味嗜好に合わせた商品説明を行い、最適なタイミングで言葉を発することで、より自然で魅力的なコミュニケーションを目指します。そのために最先端のAI技術を取り入れるための準備をどう進めていくかも検討事項の1つです。

リアルとオンラインを融合した新たな展開を視野に入れています。先述のように、デジタルヒューマンは42か国の言語に対応していますので、インバウンド向けの宣伝ツールとしても活用できます。例えば、日本の観光地やホテルのモニターで特産品を紹介し、帰国後もECサイトで購入できるような仕組みの構築も可能です。
当社は、あくまで「モノを運ぶ」ことを事業の根幹とした物流企業であり、デジタルヒューマンによるライブ配信も、そのための宣伝活動の一つと位置付けています。訪日外国人の方々に、ECを通じて日本の物を購入するリピーターになってもらう。そういった流れをつくることで日本の魅力を世界に広げ、継続的な需要を生み出していきたいと考えています。

メーカー様とのタイアップによって、互いの強みを活かしながら新しい販路を開拓していくことができたらうれしいですね。特にコスメや健康食品、加工食品といった分野においては、すでに海外展開のためのネットワークを構築していますので、これらのメーカー様に対しては、新たな販路を築くお手伝いができます。「新しい販売チャネルを開拓したい」「海外市場に進出したい」と考えている企業様がいらっしゃれば、ぜひご一緒したいと思います。