株式会社3CF
ビジネスアイディアのテーマ
3CFの技術を用いた革新的新素材「ナノダウン」
受賞内容
- かわさき起業家優秀賞
- NAGAYA起業家応援賞
- きらぼし銀行賞
- 会場応援賞
代表者
谷岡 明彦
ビジネスアイデアの概要
株式会社3CFは、東京工業大学の研究開発知見を活かし、カーボンファイバー、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ(3CF)技術を用いた新素材「ナノダウン」の量産化に成功しました。「ナノダウン」は、ポリエステルだけでなくナイロンやポリプロピレンなどの素材でもシートとして製造可能で、断熱材・吸音材として衣料や建築、自動車業界など幅広い分野での活用が見込まれています。従来の吸音材では実現できなかった低周波の除去も可能で、軽量かつ高性能な断熱吸音材として特に自動車での活用が期待されています。
この技術は国際連合にも評価され、ウクライナ難民支援のために寝袋・衣料・建築材料用の断熱材として「ナノダウン」を提供するために株式会社3CFが設立されました。さらに、「ナノダウン」の技術を活用した3CFは、電磁波吸収体としての機能を持つほか、太陽光の熱エネルギー変換にも応用できるため、今後は「太陽光熱エネルギー発電」の事業展開も視野に入れています。
「ナノダウン」の特性および量産技術が競争優位性を持っています。この新素材はナノファイバーとマイクロファイバーの混在により、羽毛の4倍の断熱特性を持ちつつ、5分の1の価格で提供でき、動物虐待の心配もありません。また、洗濯やオートクレーブにも対応できるため、清潔さを保つことが可能です。さらに、東工大のカーボンナノファイバーを使った燃料電池の開発と、カーボンナノファイバーの原料で世界一の生産量を誇るカーボン材料企業との協業により、「ナノダウン」の大量生産が可能になりました。
市場は多岐にわたり、衣料、バイオ関連(再生医療)、電磁波関連、農業、建築(断熱材)、車関連(断熱・吸音材)、輸送(緩衝材・断熱・抗菌)、布団、断熱不燃材など、様々な産業が対象となります。例えば、ダウンコートの市場規模は2021年時点で5兆円以上、布団市場は同年で10兆円と予測される大規模な市場です。
株式会社3CFは、ナノファイバーおよびカーボンナノファイバーの分野で圧倒的な生産技術力を有し、独自開発の「Zetta Spinning方法」により、ナノファイバー業界初のトン単位での大量生産が可能です。これにより、多様な産業分野での活躍が期待され、社会に貢献することを目指しています。
