Brand Maker Enabler株式会社
ビジネスアイディアのテーマ
電力消費1/1440 電池、充電不要の電池レス電子錠
受賞内容
- かわさきビジネス・アイデアシーズ賞
- きらぼし賞
代表者
岩渕 哲也
ビジネスアイデアの概要
かつて「ものづくり大国」と呼ばれた日本ですが、過去30年間で世界に進出した新興メーカーはほとんどなくなりました。私たちBrand Maker Enablerは、日本から世界でシェアを取れるブランドメーカーを生み出すことを目指して設立されました。その一環として、この電池レス錠が開発されました。
この製品は、ある物流業者が抱えていた問題を解決するために生まれました。毎日何百もの南京錠の施錠・解錠が必要で、多くの鍵を管理するのは大変な負担でした。電子錠なら一つの鍵で複数の錠を解錠できるものの、電池切れのリスクがありました。この電池レス錠は、解錠時にのみ外部端末から電力を供給することで、電力確保が難しい環境でも使用可能です。
電子錠には鍵穴がないため、不正開錠の手段であるピッキングが不可能です。また、ログの取得や複数のセキュリティ対策が組み合わせられます。市場には電池レスで動作する電子錠は流通しておらず、錠前のような小さなスペースで送電することは技術的に非常に困難ですが、弊社の無線通信技術の専門家によって実現されました。この電子錠は大手通貨処理機メーカーとの共同で特許出願されています。
今後、多くの物理錠が電子錠に置き換わると予想されます。特に電力確保が難しい場所で使用される錠前や自転車市場は大きなターゲットとなります。2020年の完成自転車の出荷数量は約162万6000台です。これまで錠前と鍵の市場は用途別に分かれていましたが、電子錠では物理的な制限がなく、同一の鍵で異なる形状の錠前を解錠することができます。これにより、玄関と自転車を同じ鍵で解錠するなど、新しい市場を形成できる可能性があります。
