第106回最終選考会(平成29年3月17日(金)開催)
ビジネスアイディアのテーマ
ビジネスアイディアの概要について
大学での研究テーマとして、家庭内での飼育に関わる生活用具や獣医療を補助する器具の開発を継続的に行っています。その中から、家屋内で使用することを前提にした「小型ペット用車椅子」は回転機構(特許取得済み)を持つ構造が特徴で、狭い廊下や室内での自由な歩行を実現します。また、細部に体型に合わせた細かい調節機構も盛り込み、高い品質の製品に仕上げ、この3月に発売します。中・大型犬は体格差が大きいので、3Dプリンターを利用したオーダーシステムを導入し、オーダー制作のスピード化を実現しようとしています。
さらに、人間とペットの「老々介護」を補助するベッドやカートなど関連用品の総合レンタルサービスとして展開することも視野に入れた開発計画を検討しています。
新規性・優位性について
共同開発者として大規模の動物病院の獣医師が加わっており、医学的根拠と評価が開発の原資として担保されています。
また、大学の学生たちと該当分野のアイディア展開を、実務教育と重ね合わせながら展開できることも分散型開発のメリットです。つまり、アイディアの展開を一企業が単独で行なうよりも数多く行うことができ、斬新な案が出し易いことも優位に働きます。
そして、開発に際し、専門の知識が必要となった場合にも、学内の知識や、専門学会を通じての連携が取りやすいことも優位点となるでしょう。
市場について
主なターゲット・市場の規模
屋内での飼育率は犬が83%、猫は95%以上(日本獣医師会、2015年6月)。超高齢社会では愛玩動物(ペット)との生活は密接かつ長期間化しており、飼主の老齢化と共に犬/猫等飼育動物も長命化→老化や疾病という問題に直面しています。
飼主とペット間の「老々介護」の増加は必定でも、補助する環境や道具は殆どないのが現状です。今後、ペットの快適な飼育と家庭内介護という問題の解決に向けた取組みは急務と考えます。
市場での競争力
「ランダムカート」は独自の特許構造を持ち、機能的に類似の製品は現時点では存在しません。
室内使用としては唯一無二の製品です。
また、金型を多用した樹脂部品を採用した為、品質的にも他の追随を許さないと考えています。ペットの体型に合わせる細かい調整機構も充実しており、塗装を施した仕上げなど愛用品として高い満足感を与えます。
実現性について
実施スケジュール
小型犬用「ランダムカート」発売は2017年3月。初年度販売目標は300台。
同時に中・大型犬用オーダーシステムを試験運用し、同年度中には製品仕様を確定します。
実施場所
開発拠点は日本工業大学(埼玉県 東武動物公園)
実施体制
初年度は企画担当に取締役3名、開発担当に1名の体制
ビジネスパートナー
株式会社アイデス(ベビーカート製造・東京都)
株式会社市瀬(ペット美容器具販売・神田)
ペットクリニック小林(深谷市)
リスクとその管理
準医療機器であるので、使用者(飼主)の不注意や操作ミスによる事故も想定されます。
PL法にしたがった対応や、製造者が加入する保険などを準備する必要があります。