第133回最終選考会(令和4年12月9日開催)
ビジネスアイディアのテーマ
ビジネスアイディアの概要について
「eコグニケア powered by Moff」は、60代〜80代前半のシニアの認知症予防・生活習慣病予防・介護予防のための健康寿命延伸に向けたヘルスケアサービスで、認知症予防の豊富な研究実績を有する神戸大学認知症予防推進センターと共同で展開する産学連携の取組みです。
ユーザーが自宅からスマホやパソコンを使って隙間時間に参加する完全オンライン型サービスであり、認知症予防や体力向上のための各種運動プログラム、デジタル体力測定(後述)、オンライン認知機能検査、大学教授による健康セミナー、栄養士や理学療法士との個別相談が含まれており、利用料金は月2,000~6,000円です。
デジタル体力測定は、弊社独自開発の6軸センサー(加速度センサーとジャイロセンサー)を搭載したMoffバンドとアプリを無線接続して手軽に自宅で歩行速度、バランス力、下肢筋力の測定が可能です。
測定結果は年代平均や過去の記録と比較することで効果が実感できる楽しさと、オンライン経由での適度な距離感のアットホームなコミュニケーションを通じた楽しさを背景に、サービス継続率は高水準(98%)を維持しています。
新規性・優位性について
認知症や介護等のリスクを知るための認知機能検査や体力測定は、これまで認知症専門病院や特別な計測機器を有する施設でなければできなかったため、国や自治体でもリスク群の早期把握が十分に行えず適切な介入ができずに、結果として認知症や要介護者は近年急増しています。
そうした状況の中、本サービスではそれらの検査・測定を自宅で手軽にいつでも受けられる点に新規性を有しています。
また、当該計測データを継続的に解析することで、本サービス内の各種運動プログラム等の介入効果を即時に検証できることに加え、当該検証結果に基づく本事業のサービス改良をスピーディーに実施できる点にも優位性があります。
市場について
主なターゲット・市場の規模
対象ユーザーは60代~80代前半のシニアのうち、現在は要介護認定を受けず自立した生活を送るものの、認知症等の健康不安に意識を持つ約2,500万人です。
それらのユーザー世代に対する公的保険外での運動関連並びに計測関連の市場規模は約8,000億円と推定しています。(令和元年 経済産業省商務・サービスG「生涯現役社会の構築」資料中の公的保険外のヘルスケア産業に関する市場規模から当社推定)
市場での競争力
株式会社カーブスジャパンが全国1,950店舗で女性専用フィットネスクラブ「カーブス」を展開されており会員数は50代~70代を中心に約70万人です。規模、知名度等では同社が先行するが、以下の点で本事業は競争力を有しています。
(1) 認知機能検査とMoffバンドでの体力測定
(2)オンラインを活用するサービスであるため、男女を対象に提供できること
(3)オンライン特化のメリット(運動講師が採用しやすく、施設費等が不要、SNS等を充実)
実現性について
実施スケジュール
2021年10月より本サービス提供開始。現在のユーザー数は500名前後
2022年8月までに全国20の自治体で介護予防・認知症予防として本サービスを採用
2022年9月より大手食品複数社の健康食品顧客向けマーケティングテスト実施
2022年中に大手携帯サービス企業との提携予定(携帯ショップを販路として展開)
実施場所
弊社オフィス及び神戸大学オフィス。サービスは各地からオンラインを通じて配信
実施体制
弊社と神戸大学の融合した1チーム体制です。弊社側には事業責任者、運営責任者、顧客サポート、理学療法士、運動トレーナー、アプリ・システム開発エンジニアが所属しています。
また、神戸大学側には認知症予防推進センター長古和教授並びに実務責任者である吉本名誉教授の下、運動トレーナー、顧客サポート、認定心理士が多く所属しています。
ビジネスパートナー
自治体向けの販売マーケティング:株式会社三菱総合研究所、株式会社アトラス他
その他提携先:全国共済農業協同組合連合会、楽天モバイル株式会社、ひまわりネットワークス株式会社、公益財団法人豊田地域医療センター他
提携協議先:大手食品企業(4社)、大手携帯サービス企業、国立研究開発法人国立循環器病研究センター他
リスクとその管理
ユーザー向けサービスに関するリスク:運動中の事故・怪我に関しては、把握する体力測定結果に応じた適切な指導、実施中のモニタリング、更には付保により対応。
アプリケーション・システムに関するリスク:個人情報漏洩、システム障害等を防ぐ運用体制を整備している他、緊急時の連携・連絡手段を複数整備し対応
その他リスク:弁護士等の専門家と緊密な連携を図りつつ、万全の対策を講じています。