第136回最終選考会(令和5年9月15日開催)
ビジネスアイディアのテーマ
ビジネスアイデアの提案者
【発表者 小林 昌純】
ビジネスアイディアの概要について
世界が「カーボンニュートラル」「脱炭素」を掲げてCO2 削減への道を歩み始める中で、更に電気料金の高騰を受け、自社の利益率が圧迫され電気料金の削減を考えました。
自社全体の使用電力は把握しているものの、どの設備が電気を大量に消費しているか把握できず、削減ポイントが分かりませんでした。
そこで設備ごとの電力消費量を計測するための装置として「エニマス」を開発しました。
「エニマス」は分電盤の各ブレーカにクランプセンサーを取り付け、8 回路分の消費電流を測定し4 G通信でクラウドにデータを送信します。
測定した電力量・電気料金・CO2 排出量データはリアルタイムで専用アプリに表示され、取得データはCSV出力が可能です。
また、その他の環境プラットフォームへのデータ吸上げや、自社での分析に応用することもできます。
測定した結果、機械装置の待機電力や空調・コンプレッサーの電力ロスを見つけ、無駄な電気使用の削減を図ることに貢献します。
新規性・優位性について
電力測定機器は他社でも販売されていますが、測定データをブレーカごとに自動かつリアルタイムで集計・表示・可視化されるシステムはなく、「グリーンファクトリーEXPO 」出展時に、来場者から「こういうのが欲しかった」「トータルで使いやすい」「色々探したけどエニマスしかなかった」という声をたくさん頂きました。
統合ソフト「ENMAS-PRO 」を使用することで全国に散らばっている各拠点の電力状況を統合して可視化することもできます。全部門の可視化はもとより担当者が24 時間どこからでも電力の使用状況を確認することができ、各拠点への現地立会いがいらず現在の電力状況を把握することが可能です。
市場について
主なターゲット・市場の規模
政府が掲げた「2030年度温室効果ガス排出量46%削減」「2050年までに温室効果ガスの排出をゼロ」にするカーボンニュートラルを実現する国内エネルギー設備・システム市場は、7 年後の2030 年には2 兆3,430 億円に拡大すると予測されています。( 矢野経済研究所)
世界的 にも脱炭素社会の実現の機運は高まっており、さらなる市場の拡大・成熟が期待されています。
市場での競争力
測定データをブレーカごとに自動かつリアルタイムで集計・表示・可視化されるシステムは競合他社にはない機能で、展示会来場者からの言葉からも唯一無二の商品であると言えます。
ユーザビリティを重視した開発を今後も続けます。
実現性について
実施スケジュール
2022 年8 月創業。同年11 月に「エニマス」を発売開始し、現在までに70 台の販売実績があります。
2023 年現在川崎市内に新拠点を設立済み。今後全国展開を狙っていきます。
実施場所
川崎市内の拠点を中心に全国へ展開
実施体制
2023 年~販売代理店制度をスタートさせ、現在北海道・群馬県・長野県・名古屋市・相模原市で代理店活動を展開。
同時に採用活動をはじめ、2023 年8 月は5 名体制で実施。
ビジネスパートナー
株式会社横浜銀行・株式会社商工組合中央金庫・城南信用金庫によるマッチング、今後はECサイトでの販売も視野に活動中
リスクとその管理
ハードウェア・ソフトウェア共にシステム障害に対応するため、遠隔操作を可能なシステムとしています。
開発を委託しているパートナーとの連携も密にしており適切な運営体制を構築しています。