第95回最終選考会(平成27年6月5日(金)開催)
ビジネスアイディアのテーマ
ビジネスアイデアの提案者
シンクランド株式会社
宮地 邦男
横浜市鶴見区
- かわさき起業家優秀賞
- かわしんビジネスチャレンジ賞
- はまぎん賞
【発表者 宮地 邦男 氏】
ビジネスアイディアの概要について
4年前の東日本大震災を始めとして、昨今の日本国内では今後更なる巨大地震発生における被害の増大が懸念されている。その際に地盤の緩みや建造物の破損に伴う倒壊や崩落の事故を未然に防ぐ手段が必要であると考えられている。本テーマは、当社で開発した常時モニタが可能な振動センシング装置を地震発生後の建造物や工事現場周辺に設置することで、作業時に発生する通常よりも過度な振動の周辺への影響や直下型地震の影響を受けた後の建造物監視においても相対的な変化が可視化できる非常に有益な装置となりうる。例えば、工事現場の特定な周辺付近に本装置を設置することで、その場所毎に振動の伝搬の様子が明らかとなり、人が見てわかる(LEDの色の変化「青⇒緑⇒赤」によって、その振動状態を直接その周辺にいる人が目で判断できる)手法や遠隔監視(無線でその振動情報を工事現場管理事務所まで送信し、常にその変化をモニタ出来る)の方法を用いて具現化することを目的とした。
新規性・優位性について
当社のシステムは可視的に危険度をその周辺に可視的に通知ができ、無線送受信系で離れた事務所にも常時測定データが集約される。設置場所で複数台同時に稼働しても全てのデータは一台のパソコンにて情報は集約でき、しかも低消費電力化を実現していることから、充電式バッテリーを積載し、夜間充電で日中はコードレスの状態(つまりは設置場所の自由度がある)で問題なく常時モニタが可能となる。更には当事業期間内では通信キャリア会社との連携で、IoT技術を用いての遠隔監視も可能となる。
市場について
主なターゲット・市場の規模
本商品化の際に考慮する市場規模としては公共工事の傾向が重要なポイントとなる。24年度から26年度にかけて公共工事として件数はほぼ横ばいであるが、請負金額は上昇傾向となっている。実際には公共工事件数は毎年13万件ほどで推移しており、請負金額は7兆8千億円へと上昇している。更には平均単価も57百万円と上昇傾向にある。結果、公共工事は今後も継続的なターゲット先であると言える。
市場での競争力
本市場においての強みは、導入先でのメリットが大きい面が複数あることが挙げられる。 ① コードレスでの設置方法(充電式バッテリー及びデータ送受信系の無線化)/② 本体部の設置場所の自由度(コードレス化)/③ 通信キャリアとの連携で遠隔監視を実現(本社監視も可能)/④ 複数台のセンサ部分の測定データを一括管理(複数箇所を一括監視可能)/⑤ 導入コストが安い(経費処理範囲で設置可能)
実現性について
実施スケジュール
○事業開始~平成27年11月・・・防水筐体化(IPX3クラス「防雨型」を目指す)
○事業開始~平成27年9月・・・充電式バッテリー化
○事業開始~平成27年12月 ・・・遠隔監視動作確認(ソフトバンクテレコムと協力)
年内に実現可能性を検証し、商品化へ具体化していく計画。
実施場所
リーディングベンチャープラザ1号館306号室(当社試作工場内)にて実施
実施体制
当社技術担当者を中心に、外注先との連携により実施
ビジネスパートナー
サイミックス株式会社・・・制御用ソフトウェア
エルエスアイジャパン株式会社・・・電気回路基板外注
リスクとその管理
振動センシング装置の基本動作検証は終了しており、今後は防水筐体に設置された際の無線動作確認及び充電式バッテリーでの動作確認を具現化する計画。最終的に遠隔監視の仕組み作りも行うが、その検証が必要。