第101回最終選考会(平成28年6月10日(金)開催)
ビジネスアイディアのテーマ
ビジネスアイディアの概要について
弊社のメイン工法である不断水凍結工法は、液体窒素により配管を外部より冷却し管内部に氷塊を生成し、一時的な簡易仕切弁と同様な役割をもたらすというものである。
このことにより断水範囲を最小限に抑え、施工時間の短縮や施工コストの削減を狙ったものである。しかしながら大口径管になるにしたがい凍結完了までの時間は反比例して長くなるという課題があった。
この課題を解決するために、工業用エロフィンチューブにヒントを得て冷却効率を高めるための装置(クールシンク装置)の開発を目指すものである。現在試作品にて実験段階ではあるが、約3割の時間短縮を実現出来ると想定している。
新規性・優位性について
凍結工法に限らず一般的な不断水工法全般において、重量機械を使用する工法(不断水バルブの取り付け)等と比較して簡易的であり省スペース、さらには低費用で作業可能な工法が新たに誕生することとなる。依頼から実際の施工までに要する日数(つまりは納期)が短縮できる点についても、他社を圧倒的に引き離し差別化を図れると見込まれる。
ちなみに現在、大口径管を他社製不断水にて施工する場合は納期に数カ月要するが、本開発が成功し、液体窒素等の材料および人員確保さえ出来れば、依頼から即日対応も可能になると想定される。
市場について
主なターゲット・市場の規模
官公庁においては送水管・導水管・取水管などを有する浄水場、自治体・民間企業においては大口径管を有する大規模な施設の管理者、またはその施設の修繕担当者
市場での競争力
大口径管の更新工事はその安全性の担保は勿論であるが、工事自体が大掛かりな作業となるため、施工主にとって工期と費用面が大きな障壁となってきたのが実情である。
クールシンク工法が確立した暁にはこの課題が大幅に軽減される見込みであるため、新たな市場、つまりは大企業や海外からの依頼など大口顧客に向けたサービス提供が可能となると想定される。
実現性について
実施スケジュール
各種実験とモデリングを経て、2018年の実用化に向け製品開発・製造を進める。
実施場所
当社川口市本社工場
実施体制
当社工事部、製造部併せて10名程度
ビジネスパートナー
実験結果の信頼性、信ぴょう性を裏付けるためにも、専門家・大学などの教育機関・民間企業など多方面から協力を仰ぎ産学連携を目指す。
リスクとその管理
一般的に懸念される施工中の氷塊離脱というリスクがいかに低いかという点について、上記ビジネスパートナーと連携して実験を繰り返し、クールシンク工法が物理的に安全な施工方法であるという学術的根拠を得る。
また実施工結果データを相互に共有することでさらなる技術革新を目指す。