第112回最終選考会(平成30年3月16日開催)
ビジネスアイディアのテーマ
ビジネスアイディアの概要について
日本は全地域の51%が降雪地域であり、毎年大雪による除雪作業・雪崩れ・崩壊などで建物や人命被害が相次いでいます。
そして世界3位の太陽光設置規模を誇る太陽光王国でもございます。
しかし、降雪地域における発電量は全国平均発電量に比べ10~20%程度と低く、その発電低下を防ぐためには「除雪」が必要となります。こういった現状から弊社はこのビジネスアイディアを取り上げました。
三つのキーワード、「雪」・「太陽光」・「除雪」から絞り、組み合わせた「多目的無人自動除雪・洗浄ロボット」です。
本製品は人がいなくても降雪を選択認知し、ロボットが自動的に駆動することで屋根または太陽光発電所などの積雪を防ぐ役割を果たします。
独自の技術で開発したセンサー・モーター・遠隔制御システムのみならず、人工知能技術を採用したこの製品を通じて、財産や人命被害の激減、そして発電効率向上による収益向上が叶えられると考えております。
新規性・優位性について
太陽光発電所維持管理分野では人力による洗浄・除雪が一般的であり、大型機械を用いた洗浄製品、融雪機械などが発売されていますが、そのものの価格も高く[数千万円程度]と導入への負担が大きく、レンタルだとしても機械を運んでもらってからの作業システムとなっています。
さらに降雪地域における太陽光除雪は人力を利用せず、自動除雪が出来る製品は現在存在していない状況です。
本製品は一台当たり3万円程度の手頃な価格で、DIY式のように簡単な設計となっているため、故障も少なく、消耗品取替えのようなメンテナンスも簡単に出来る仕組みとなっています。
市場について
主なターゲット・市場の規模
主なターゲットは降雪地域における日本の住宅・住宅用太陽光発電所・大型太陽光発電所です。
日本の住宅数は、平成12年基準として約4,700万世帯を超え、その中で豪雪地域の世帯数は810万世帯(17.2%)、特別豪雪地域の世帯数は120万世帯(2.5%)です。
太陽光発電所の場合、年間降雪量が200cm以上の現場は全国で約1,600万ヵ所で、その中でも雪で収益が20%減少する現場は243万ヵ所です。
それらを踏まえ、住宅及び太陽光発電所を対象とした本製品の市場規模は、約3,500億円と考えられます。
市場での競争力
前述のように本製品は人力サービス・融雪機械・自動除雪機械に比べると確実に価格面のメリットが大きいです。
さらに年中常時稼働の状態を保ち、除雪のみならず洗浄効果も期待できることから、一年を基準とした場合、洗浄・除雪・雪などによる崩壊及び破損・消耗品取り換えなど、全てのメンテナンス費用を考慮すると、画期的な費用対効果が狙えると考えております。
実現性について
実施スケジュール
住宅EXPO大阪2017・川崎国際環境展2018への出展以降、日本降雪地域7か所にてサンプル設置済。
3月ビッグサイトで開かれる太陽光業界のメイン展示会「PV EXPO2018」に出展することで、本製品に興味を持つバイヤープールを確保すると同時に、研究開発部は各現場で採ったデータ・フィードバックを反映し、1次量産を含む本格的なビジネス展開を進めていきます。
実施場所
降雪地域がメイン市場なので、特にサンプルが設置されている各現場を営業拠点化し、ショールームとして広報活動をしていきます。
まずは北海道、東北、甲信越、北陸を中心に営業活動を進め、ローカル密着イベントへ積極的に参加していきます。
実施体制
弊社従業員9名は関連業務の経歴(10年以上は4名、5年以上は3名、3年以上は2名)を備えており、内訳は太陽光関連研究/実務出身者4名・日本市場開拓経験者2名・設置専門2名・管理職1名となっております。
そして日本現地における様々な業種のパートナーを保有しています。
ビジネスパートナー
韓日技術協力財団所属のコーディネーターをはじめ、電気・架台・金具・モジュール・商社を専門とするそれぞれの企業と手を組んでおります。
特に大阪市内のナガタ製作所とは「屋根向け除雪ロボット共同研究開発に関する業務協約」を進めており、共同研究開発を進めていく予定です。
リスクとその管理
リスクはやはり日本に常駐しないことで生じる様々な問題です。
すべて韓国から日本へという仕組みになっているため連絡・移動・設置に渡り「費用と時間」においてかなりの損が発生しています。
従って、まず日本に営業活動拠点を設置し、各地域をカバーするローカルパートナーシップをしっかりと結ぶことに万全を期していきたいと思います。