第107回最終選考会(平成29年6月9日開催)
ビジネスアイディアのテーマ
ビジネスアイディアの概要について
最近のソフトウェアの流行に比べると、電子部品実装(はんだ付けや配線)に時間がかかるハードウェア(回路)は、敬遠される傾向があります。
このたび開発したCube-D®(キューブディー)は、複数の単機能ブロックを組み替えてベースボードに装着するだけでデジタル回路が作れる学習キットです。はんだ付け不要、配線もブロック装着により行います。ブロック間は8ビット単位の情報のやり取りが可能であり、また各ブロックに供給される共通クロックにより、本格的な同期式デジタル回路が作れます。
また、ブロックは、加算器やカウンタといった20種類ほどの機能からユーザが選択することが可能なため、ブロックを有効に活用でき、多数の回路を構築できます。各種センサやモータといったブロックも標準装備で、複数ボードによる拡張も可能です。
Cube-D®を使ってデジタル回路の楽しさを多くの方に知っていただき、特に将来を担う若いエンジニアの育成に貢献したいと考えます。
新規性・優位性について
ブロック同士がベースボードを介し、1線接続で多ビット情報を処理する技術は特許登録された当社オリジナルです。
ベースボードに形成した穴とブロックの2本の足およびメッキされたバネにより、素早い着脱を行うと同時に確実な電気的接続を行う機構、およびブロック機能をユーザが選択できる点にも新規性があります。
他社製品では実現できない多ビットの同期式デジタル回路を簡単に実現できる点に最大の優位性があります。
市場について
主なターゲット・市場の規模
① 理系学生:高専57校、工業高校636校、理系大学394学部を合計して約1,000校(学部)です。40台/教室x1000=4万台の規模になります。
② 一般中高生:過去学研電子ブロックは累計200万台の販売実績があります。電子ブロック世代の父親がそのお子さんに買い与えることを想定して販売実績の2%としても4万台の規模があります。
市場での競争力
多ビットの同期式デジタル回路を簡単に構築できる唯一の商品であり、デジタル回路を学ぶ理工系学生に最適です。
また、特許(第5678226号)と商標(第5890204号)は他社の参入障壁となりえます。
実現性について
実施スケジュール
Web販売を続けながら、2017年前半は新規センサブロックの開発を行い、後半は複数の展示会に出展して認知度向上を目指します。
2018年5月の教育ITソリューションEXPOに出展し、教育教材代理店および学校関係とのチャネルを構築し、後半より本格的に学校関係への販売を実施します。
実施場所
自社
実施体制
自社内でブロック組立て、マイコンプログラム書込み、検査、顧客サポートを当面1名で対応し、販売実績に応じてヘルプデスクを外注します。
ビジネスパートナー
①基板製造:P版.com
②特注バネ製造:小松ばね工業株式会社
③ブロックプラスチック成型:株式会社須永製作所
④部品実装:有限会社TESCO
⑤Web販売:Amazon
リスクとその管理
①電子部品供給停止:設計段階で代替え可能部品を選定。
②Cube-D®によるけが:鋭角部がないように設計。PL保険加入済み。
③資金不足:融資、助成金等資金調達手段の多様化。