第123回最終選考会(令和2年7月31日開催)
ビジネスアイディアのテーマ
ビジネスアイデアの提案者
【発表者 中島 紳一郎】
ビジネスアイディアの概要について
私達は2021年夏に、日本初となる月面探査を実行します。
創業以来8年の歳月をかけて、超小型の月面探査車を開発しました。
この月面探査車は、転んでも倒れても立ち上がる構成で「七転び八起き」を由来として、「YAOKI(ヤオキ)」と名付けられました。
YAOKIはNASAが2021年から実施する月輸送プログラムに、月面探査として日本唯一の参加が認められました。
これはアポロ計画以来50年のブランクを経て、現在NASAが計画している月輸送プログラムです。
NASAは、2021年に実施されるミッション1から2025年に実施されるミッション5までを発表しています。
YAOKIもミッション1からミッション5まで機体数を増加させて、レベルアップしながら継続して参加する計画です。
新規性・優位性について
新規性
・車輪は球形&本体を覆う&上下対称形状で、転んでも倒れても必ず車輪が接地して走行可能な構成です。
・現時点で、特許出願2件。2020年中に8件の追加特許を出願予定です。
優位性
・従来の小型月面探査車と比べて、重量(月への輸送コスト)1/10以下を達成しています。
・強度100G以上(従来比3倍以上)を達成しています。
市場について
主なターゲット・市場の規模
宇宙開発市場は急拡大し始めており、全世界では2017年で約43兆円、2020年に56兆円、2040年には、113~305兆円となる見込みです。月面探査と火星探査に係る市場規模は、この半分程度と想定しています。
2020年度のNASA予算総額は210億ドルで、このうち月面探査と火星探査に係る取り組みに対して、全予算の半額以上となる約 107 億ドルを計上しています。
市場での競争力
2021年の月面探査は、日本唯一の実施会社であり、2021年以降には、世界でも数少ない月面探査の実績を持つ事になります。
他社の小型月面探査車に対して、月輸送コストは1/10以下であり、圧倒的なコスト優位性を保持すると共に、強度3倍以上を達成し、圧倒的な信頼性を持っています。
実現性について
実施スケジュール
2020年3月:基本的な仕様フィックス
2020年12月:主要な実験完了
2021年夏: 月面へ打上げ&着陸&探査
2022年~2024年:毎年レベルを上げた月面探査を実施
実施場所
開発拠点は、東京都大田区の事務所。
打上拠点は、アメリカのケープカナベラル。
実施体制
社員:1名
2020年に3名、2021年に5名に増員する計画。
ビジネスパートナー
製造:東新製作所、企画:ABLab、ブランディング:モノクス、営業:ファインエッジ、社会実装:ツクル、開発連携:Spacebit(ロンドン)等6社と連携。
リスクとその管理
課題:1. 客先が限られる。2. 知名度と信頼性が低い。3. 時間がかかる。
対策:1. NASAに技術をアピールしてNASAを客先に。Spacebit社と国際連携してグローバル展開。2. メディア露出&特許取得して知名度と価値を向上。3. 企業連携を強化してサポート体制構築。