第137回最終選考会(令和5年12月8日開催)
ビジネスアイディアのテーマ
ビジネスアイディアの概要について
「ものづくり大国」かつて日本はそう呼ばれていました。この失われた30年の間、世界からは様々な新興メーカーが立ち上がってきましたが、日本から世界へ新たに進出したメーカーはほとんどありません。
私たちBrand Maker Enablerは日本の現状を打破すべく、「日本から世界でシェアを取れるブランドメーカーを生み出す」そんな思いから会社設立をしました。
この電池レス錠はそのための一つの事業です。この製品のアイデアは、ある物流業者が持つ課題を解決するところから始まっています。毎日、何百ものカバンにつく南京錠の施錠を解錠しており、何百もの鍵が必要でした。電子錠であれば、一つの鍵で複数の錠を解錠する設定が可能です。
しかし、通常の電子錠は電池切れの課題があります。いつ、どこで電池切れになるか分からない錠では、解錠したいときに、解錠が出来ないという事態が発生します。この電池レス錠はその課題を解決するというアイデアを元に生まれました。
解錠時のみ特定の外部端末から電力を与えることで、電力確保が難しい環境にあっても解錠可能な画期的な製品です。
新規性・優位性について
電子錠には鍵穴は存在しません。そのため不正開錠の常套手段であるピッキングを無効化することができます。さらに、電子錠ではログの取得や複数のセキュリティを組み合わせることが可能です。電子錠において電池レスで動作する製品は市場には流通しておりません。これは錠前のような小さなスペースで送電することが技術的にも非常に難しいです。弊社は無線通信に長年携わってきた技術者の力によって可能としました。また、本電子錠は大手通貨処理機メーカーと共同にて特許出願しております。
市場について
主なターゲット・市場の規模
多くの物理錠は電子錠への置き換えが進むことが予想されます。錠前の中には、外で使われるもの、電力の確保が難しい場所で使用されるものが多くあります。自転車市場などは大きなターゲットの一つです。経済産業省の調査によると、2020年の完成自転車の出荷数量は約162万6000台とされています。
市場での競争力
これまで錠前と鍵という市場はそれぞれの市場に分かれていました。住宅、車、自転車、南京錠など、用途に合わせて、形状の異なる物理錠やダイヤルロック機構が必要だったためです。しかし電子錠では、物理的な制限はなく、同一の鍵で形状の異なる複数の錠前を解錠することが可能です。これは玄関と自転車を同じ鍵で解錠するなど複数の市場を跨いだ、新しい市場を形成できると考えています。
実現性について
実施スケジュール
2023年 ものづくり補助金の採択にて、試作品の開発
2024年 PoCを実施
2025年 製品化へ
実施場所
PoC実施へ向け、いくつかの話を進めています。
実施体制
弊社5名、および事業構築、開発パートナー多数
ビジネスパートナー
大手通貨処理機メーカー、大手エレクトリック商社
共に本製品の開発、生産をご一緒できる企業様を探しております。
リスクとその管理
円安等による、部品、製造原価の高騰のリスクが考えられるため、設計、部品の共通化などによる、原価の管理を行なっていきます。米中問題や物流、人件費などの世界的な高騰もあり、日本での開発、生産には追い風です。その利点を活かし、共に製品を育て、メーカーとして成長していくパートナーを探しています。