第138回最終選考会(令和6年3月8日開催)
ビジネスアイディアのテーマ
ビジネスアイディアの概要について
シニアのフレイル・プレフレイル予防支援の音声対話AI の事業となります。目的は、予防支援することで、シニアが住み慣れた場所でセルフマネジメントできるようにすることと、医療費・介護費の抑制に貢献することです。
フレイルは要介護と健常者の中間の時期のことを指します。プレフレイルはフレイルの予備軍です( 以下、フレイルと記します)。社会とのつながりを失う・喋る機会の減少を入り口として徐々に心体が衰え、フレイルとなりますが、可逆性を有しており、予防ができれば住み慣れた地域・住み慣れた家で、健康な老後を過ごすことができます。
シニア人口約3,600 万人のうち、プレフレイル・フレイルは約50% に達しています。また、50 代の50%超がプレフレイルとの調査結果があります。
縮小する日本社会において、後期高齢者医療費・介護費が2025 年に国家歳出の約40%に相当するとの試算もあること、医療・介護従事者( 専門家) が慢性的に人手不足であることは2 大社会問題です。利用者と専門家の間に入り、「日常的に喋る」「行動変容」からフレイル予防支援を自動化するAI が今後必須となります。
新規性・優位性について
対話AI と日常的に喋ることから行動変容を促し、フレイルを予防を支援する目的のサービスは日本初の試みです。行動変容とは「喋る→食べる→口の強化→動く→抑うつ離脱→健常」という流れの実現を目指しています。喋るインタフェースは誰でも手軽に利用することが可能であり、AIは何を言われても気を悪くしないため、ユーザは気軽に話す事ができます。当社の自然言語処理技術による、「認識モデルAI®“OMOHIKANE®”(オモイカネ) 」でモデル化されており、間違った応答やハルシネーションがなく応答の経緯が説明でき、記憶に基づいて最適化されたパーソナライズにより、有用な情報につながるデータを出力できます。
市場について
主なターゲット・市場の規模
主要ターゲットは、65 歳以上のシニア3,600 万人です。このうち初期のターゲット市場は合計約300万人を想定しています。
内訳は、
①全額自治体負担層118万人
②介護保険利用の介護・医療施設利用者層107 万人
③ 75 歳以上の全額有料利用者層です。
2028 年度中に合計利用者数20 万人獲得を目標としています。
市場での競争力
2025 年に団塊世代が後期高齢者となることで、厚労省は介護予防に力を入れており、フレイル予防を謳う製品がリリースされ始めています。現在リリースされている製品は、対話機能を有していないものがほとんどです。対話機能を装備していてもシンプルな応答選択式です。弊社はこれらとは競合ではなく、相互補完関係と考えています。対話AI が全製品に装備されフレイル予防自体の定着に繋がることが重要です。
実現性について
実施スケジュール
2025年:
①安心日記による実証
②川崎市独自機能仕様策定と実装
2026 年:
①川崎市独自機能仕様を使った実証によるエビデンス取得と改善
②川崎市介護予防日常生活支援総合事業との連携
2027 年:
①一般介護予防事業および介護予防・生活支援サービス事業で定着
実施場所
川崎市の地域包括支援センターおよび類する施設( 通いの場、公民館等) を想定しています。
実施体制
実証導入支援準備( 広報誌へのアプリダウンロード用QR コード掲載や、セミナー等) 、導入支援(紙の資料作成、施設への人員配備計画、施設でのサポート人員等) を自社および、地場企業との連携により対応する予定です。
ビジネスパートナー
自治体を顧客とする通信キャリア・IT ベンダーによる代理店連携、自治体を顧客とするIT ベンダーによるOEM製品開発と販売連携、医療・ウェルビーイングなど未病/予防/予後フォロー製品開発・販売を行うIT ベンダーです。
リスクとその管理
個人情報の流出: 個人を特定できる情報を削除したデータを取り扱うよう対応する予定です。
対話ログの流出: 限定された人物だけが対話ログにアクセス可能になるよう対応する予定です。