かわさき起業家オーディションビジネス・アイデア シーズ市場
第43回最終選考会(2006年10月13日開催)
ENTRY No.4

ビジネスアイディアのテーマ
『企業価値向上のための意思決定支援システムの開発概要』

ビジネスアイデアの提案者
株式会社インベスチャー
 松元 勲(まつもと いさお)

  【東京都新宿区】

かわさき起業家大賞

ビジネスアイディアの概要について
  • 企業価値の向上が求められている昨今、上場企業にとっては、重要な経営上の意思決定をする前に、どの経営指標、業務指標等をどの程度改善すれば、市場評価がどう変わるかを見通す予測が非常に重要になっています。
  • 企業にとっては、株主重視を標榜して導入したはずの経営指標が、殆ど株価と連動しないということも珍しくありません。これは、多くの場合、その企業の株価決定の主導権を持っている投資家層が重視している投資尺度と、企業が良かれと思って導入した経営指標に大きなギャップがあることによって生じています。
  • 株価を意識した経営判断は、また、企業が得たキャッシュフローを再投資に使うのか、配当や自社株買いに使うのかを判断する時などにも重要になります。
  • こうしたことを、理論株価ではなく現実の株価の変化を想定して判断するには、実在する投資家がどのような投資尺度をどの程度重視して、自社の株を売買しているのか、自社の定めようとする経営指標と目標に対してどの程度の株式購買需要が見込めそうなのか、などを見極める必要があります。また、同時に、IR活動に備え、様々な経営指標と目標数値をシミュレートして、それぞれのシナリオを評価して自社株を保有してくれる投資家層を、ファンド、ファンドマネジャー単位で特定しておく必要もあります。
  • 当該ビジネスアイデアは、弊社が既に手作業で行っている分析工程をコンピュータで自動化し、かつ、意思決定の応用範囲を経営、財務、IRの各政策全般に広げる新たなASPサービスの一種です。

新規性・優位性について
株価評価に当たって、理論を好む人は、将来の期待キャッシュフローや期待EVAを現在価値に置き換えたり、実務家はPER(株価収益率)など株価倍率系を好んだりしますが、株式市場で株価はそのような多様な価値・尺度を持つ投資家の需給が折り重なって成立しています。理論的な株価をシミュレートするコンピュータ・プログラムや、海外の潜在投資家だけを探し出すプログラムはそれぞれ別個に存在しますが、これらを統合して社内変数(様々な経営・業務管理指標)と社外変数(投資家からの自社株潜在購買需要)の最適化ポイントを探し出すプログラムは、国内にも海外にも存在していません。

市場について
  • 主なターゲット・市場の規模
    経営コンサルティング分野の企業価値シミュレーションやIRコンサルティング分野の投資家分析などが対象となりますが、それぞれ信頼性のある業界統計があるわけではありません。弊社では現状で数十億円のマーケットと認識していますが、現在の世情を勘案すると向こう10年程度、年率20-50%の成長があるものと見ています。また、当該プログラム利用のノウハウは、将来の投資教育プログラムのコアになると見ています。
  • 市場での競争力
    現在、ハードコピーにした関連する分析資料を上場企業10数社に調査・分析サービスとして提供していますが、比類を見ないサービスとの評価を頂戴しております。
実現性について
  • 実施スケジュール
    資金調達後6ヶ月以内にサービスを開発、その後6ヶ月かけ試験的に稼動させ並行して営業を開始。1年後から売上計上を見込んでいます。 
  • 実施場所
    株式会社インベスチャー本社(新宿野村ビル32階)及び支店
  • 実施体制(従業員等)
    当該分析に熟達した社長、ポートフォリオ運用評価の経験の深い幹部二人とIT会社とで開発にあたります。
  • ビジネス・パートナー
    日本経済新聞社グループほか
  • リスクとその管理
    IT投資額が予想以上に膨らむリスクがあります。そのために、きめ細かい開発工程管理を行う予定です。

このページの内容は、受賞者の文責による最終選考会プログラム(当日配布)の内容を転載したものです。
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