かわさき起業家オーディションビジネス・アイデア シーズ市場
第47回最終選考会(2007年6月9日開催)
ENTRY No.1

ビジネスアイディアのテーマ
『福祉農業 ―ASPで管理するユニット式施設園芸システム―』

ビジネスアイデアの提案者

 玉木 浩二(たまき こうじ)

  【川崎市高津区】

かわさき起業家優秀賞
川崎市制度融資認定
玉木浩二さん

ビジネスアイディアの概要について
@農業人口における高齢者の割合は30%を超えており、現在の農業の形態では生産に参加することが困難である。
A我が国の障害者数は300万人を超えており、高齢化に伴いその数も増加しつつある。多くの企業は障害者雇用枠を消化できずに課徴金を支払っている。
B団塊世代の退職者は、2007年からの3年間に全人口の5%にもなり、このうち40%の人々は農村に住み、10人に1人は農業に従事したいと希望している。

⇒体力、生産技術、栽培技術、販売技術を持たない上記のような人々に、@作業を補助する福祉農業作業車、A快適な作業を保障する施設園芸ハウス、Bリハビリを行うことの出来る園芸療法、C栽培ノウハウ・生産管理・販売会計などの情報システム、を単体、あるいはセットで提供することにより、農業には素人であった人々に農業に参入していただくことにより、高齢化が進行している農村やシャッター街化している町の活性化、企業の障害者雇用の促進に貢献することが期待される。

福祉農作業車

新規性・優位性について
従来の農業に従事している方々は、体力、生産手段、栽培法などの技術、販売方法などに関する情報を所有し、経営を行ってきた。しかし、若者の農業離れ、農村の高齢化が進行する中、体力、ハードウェア、ソフトウェアに関する技術も情報も不足している高齢者、障害者、団塊の世代を、新に農業の受け皿として期待せざるを得ない状況が生まれつつある。これらの方々を農業に受け入れていくための仕組みを与えるのが、本ビジネスモデルの新しい着眼点である。すなわち、農業、福祉、情報をコラボレーションし、新しい農業の形を構築することに新規性があり、優位性がある。

市場について
  • 主なターゲット・市場の規模
    市場化が有望な領域は、福祉施設、公立・私立病院、企業の障害者雇用施設、団塊の世代の就農施設、外食産業への食材供給、観光農園・植物園などが考えられる。
  • 市場での競争力
    現在の農業機械は若い健常者を対象としており、高齢者に相応しい農業システムはない。また、栽培・販売に関する情報も生産者から失われつつある。高齢者・障害者に農業へ参加して頂く為の福祉農業作業車、施設園芸ハウス等の生産設備、栽培ノウハウ・生産管理・販売・会計等を総合情報システム化して、セットで提供するビジネスの潜在需要は大きい。

実現性について
  • 実施スケジュール
    2007年4月 ASPインフラ構築完了
    2007年7月 株式会社設立
    2007年9月 福祉農業作業車開発完了予定
  • 実施場所
    KSPで検討中
  • 実施体制(従業員等)
    役員1名、従業員2名、ビジネスパートナー8社、大学・協会6団体
  • ビジネス・パートナー
    日立建機コメック(株) ユミルリンク(株) 福祉農業研究開発協会など
  • リスクとその管理
    システムのハードウェア、ソフトウェアの生産、管理、販売、アフターサービス等を大幅にビジネスパートナーにアウトソーシングするため、インフラ・人材をかかえる必要が無い。

このページの内容は、受賞者の文責による最終選考会プログラム(当日配布)の内容を転載したものです。
当ホームページの記事、画像などの無断転載を禁じます。
すべての著作権は財団法人川崎市産業振興財団および原稿執筆者に帰属します。
Copyright(C) 2006-2010 IIP Kawasaki.All rights reserved.