かわさき起業家オーディションビジネス・アイデア シーズ市場
第47回最終選考会(2007年6月9日開催)
ENTRY No.4

ビジネスアイディアのテーマ
『ゲノム解析と全成分解析で環境と健康を守る』

ビジネスアイデアの提案者
株式会社ジナリス
 西 達也(にし たつなり)

  【神奈川県横浜市】

かわさき起業家大賞
会場応援賞
株式会社ジナリス 西 達也さん

ビジネスアイディアの概要について
21世紀は、資源の枯渇や環境悪化の恐れから「環境志向の循環型社会」を創出するビジネスが求められ、また健康維持分野で医薬開発だけでなく「食による疾病予防」に関心が移りつつある。このような背景の中、「微生物ゲノム情報の自動解析技術」と「食品・環境サンプル中の全成分の自動解析技術」を確立し、分析サービス事業を立ち上げた。当社の技術は大手企業の研究開発や新製品創出に貢献しているが、自社でも独自に「環境や健康を守る製品の新製造法」の開発を進めている。具体的には、廃棄されているプラスチック類から再生されるフタル酸を原料として、微生物を利用して「高付加価値機能性化学品」を安価に製造する技術の開発を進め、すでに基本製法を確立した。 ゲノム解析

新規性・優位性について
少なくとも国内において、微生物ゲノム情報自動解析技術を保有し、解析サービスを実施しているオンリーワン企業である。全成分解析については分析事業を先に立ち上げた企業1社があるが、分析の自動化を達成することにより、分析時間を1/100以上、コストを1/10以上を低減したことで大きな優位性を有する。廃棄物から「高付加価値機能性化学品」を安価に製造する技術の開発に関しても、わが国で先頭を進む。

市場について
  • 主なターゲット・市場の規模
    微生物ゲノム解析サービス事業の国内市場規模:年間4〜10億円。
    全成分解析サービス事業の国内市場規模:現在市場を開拓中であり、年間10億円と見積もられる。
    微生物を利用して生産できる可能性がある「機能性化学品」は年間8000億円であり、サプリメントなどの健康関連製品は年間2兆円である。
  • 市場での競争力
    微生物ゲノム解析サービスに関しては有力な競合企業がないので、市場を占有できる見込み。全成分解析サービスに関しては、当社の技術が食品、化学、農業、環境分野に適しているので、その領域の顧客に対して優先的に営業展開を行う。機能性化学品の製造に関しては、製造設備を持っていないので、大手化学企業とのアライアンスを重視する。

実現性について
  • 実施スケジュール
    2007年7月 機能性化学品製造に関して大手企業との共同研究契約を成立
    2009年8月 分析サービス事業の拡大で黒字化を達成
    2010年    バイオ法を用いた機能性化学品生産の工業化を達成
  • 実施場所
    横浜市産学共同研究センターとかずさバイオインキュベータ
  • 実施体制(従業員等)
    11名(役員4名、IT研究者 2名、バイオ研究者3名、派遣技術員1名、パート1名)
  • ビジネス・パートナー
    ゲノム配列決定企業、質量分析計製造販売企業、システム開発企業、発酵・化学企業
  • リスクとその管理
    開発資金のリスク:分析サービス事業の黒字化とVCなどからの資金調達で解決。
    研究開発・競合に関するリスク:大学との連携を深めることにより解決。
    マネージメントチームに関するリスク:経営体制が充実していないので、交渉・営業・事業企画を担当する経営者を早期にリクルートする。

このページの内容は、受賞者の文責による最終選考会プログラム(当日配布)の内容を転載したものです。
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