かわさき起業家オーディションビジネス・アイデア シーズ市場
第51回最終選考会(2007年12月7日開催)
ENTRY No.5

ビジネスアイディアのテーマ
『PSS-LCDの技術ライセンス事業』

ビジネスアイデアの提案者
ナノロア株式会社
 望月 昭宏(もちづき あきひろ)

 (発表者:奥山 弘文)
  【川崎市高津区】

かわさき起業家大賞
りそな神奈川応援賞
左:奥山弘文さん、右:望月昭宏さん
奥山氏      望月氏

ビジネスアイディアの概要について
既存の液晶ディスプテイ(LCD)製造技術において特に課題とされているのが「高速応答」と「広視野角」の技術であり、各LCD製造販売メーカーにとってはこの二つの課題解決が極めて重要なものとなっている。
当社の「PSS-LCD」技術は、この2つの課題を同時に解決することができ、各LCDメーカーの用途に応じた適用技術の開発により、技ライセンスが可能となる。
この「PSS-LCD」技術は、約5年前から次世代のLCD標準技術の確立を目指し、日韓欧米の各分野の専門家と共同で基礎研究を行い、その結果、新技術のライセンス事業の可能性を見出したため4年前に各LCD製造販売メーカーへの技術ライセンスを目指して日本に開発拠点を設置し事業構築を進めている。
PSS-LCDの技術ライセンス事業

新規性・優位性について
従来の液晶材料とは全く異なる新たな液晶材料を、新たな分子配向技術により均一に配向させることに成功した。この方法により、従来のLCDではほぼ限界とされていた、高速応答に関し、従来比100倍近い高速応答を実現した。また、視野角特性に関しては、従来の画素分割による空間分割法が、複雑なプロセスと高額な光学補償フィルムを要するのに対し、当社技術では液晶の著しい高速応答性を利用した時間分割法が適用できるため、製造プロセス上、極めてシンプル、かつ高価な光学補償フィルムを不要とするため、広視野角特性を安価に実現することができる。

市場について
  • 主なターゲット・市場の規模
    モバイル用LCD,PC用モニター、LCDテレビ等、LCDの適用分野全般が当該市場として可能性がある。
    2006年度世界のLCD出荷額実績で、約7兆円規模
    2007年度で約8兆円規模
  • 市場での競争力
    現行LCDの残された技術課題である、高速応答性、および広視野角特性を同時に満たすものである。又、既存の製造プロセス及び回路技術の活用ができ、その製造コストの優位性と相まって高い競争力があると考えている。

実現性について
  • 実施スケジュール
    平成19年度末よりライセンス事業開始予定
  • 実施場所
    川崎市高津区坂戸3-2-1 かながわサイエンスパーク西棟416
  • 実施体制(従業員等)
    ナノロア株式会社:12名
  • ビジネス・パートナー
    伊藤忠プラスチックス株式会社(基幹部材の販売)
  • リスクとその管理
    知的財産の運用:小規模事業体における知的財産権の保護に手厚いニューヨーク州、カリフォルニア州の法律に基づき、ライセンス契約等の契約を進めることで、リスクを低減するとともに、基幹部材の販売等、知的財産権行使の周辺を固めている。

このページの内容は、受賞者の文責による最終選考会プログラム(当日配布)の内容を転載したものです。
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