かわさき起業家オーディションビジネス・アイデア シーズ市場 第65回最終選考会(2010年6月11日開催)

Entry.5


ビジネスアイディアのテーマ

天然素材原料のみ活用による開発製品 アスベスト飛散防止剤・封じ込め剤

ビジネスアイデアの提案者

株式会社フジヤマ

藤井 泰太郎(フジイヤスタロウ)

(発表者 藤井泰太郎、葉坂廣次、熊谷英彦)

【新潟県新潟市】

かわさき起業家賞

藤井泰太郎さん

ビジネスアイディアの概要について

天然素材原料のみ活用による開発製品 アスベスト飛散防止剤・封じ込め剤

【ビジネス・アイディアの背景】

日本政府は2005年6月に、アスベストの被害が、クボタ旧神崎工場(兵庫県尼崎市)で周辺の一般住民に被害が及んだと言われたことを重視して新法成立を推進、「石綿による健康被害の救済に関する法律」と被害防止のため石綿の除去を進める関連3法(改正法)が可決・成立。

【アイディアの概要】

この当時、当社は『耐熱型の接着剤』の開発に専心していたのであるが、このようなアスベストの被害は、調べれば調べるほど、将来に対する不安が募る状況であることがわかった。

環境省では、建築物の解体によるアスベストの排出量が2020年から2040年頃にピークを迎えると予測している。年間100万トン前後のアスベストが排出されると見込まれ、今後の解体にあたって建築物周辺の住民の健康への影響が懸念され、今後ますます危険な状況が発生することがわかる。従って、社会的使命から応用開発を進めることとした。

このような状況の中で、開発中の「耐熱型接着剤」が、『アスベスト飛散防止剤』としても応用開発でき、まさしく当社の理念に立脚した“社会貢献型商品”になるとの確信を得た。

新規性・優位性について

  • 環境を優先テーマに天然素材を原料とし、その一つにセラミック系の原料を使用しているので、浸み込み精度、深度が良好。有毒ガスを全く発生しない無機系接着剤の技術を応用致して開発したため、安全・安心・無害。
  • アスベストの繊維と繊維を強固に結びつけ、“ダスト”としての飛散を防止している。
  • 不燃液と石綿を直接“固化”することにより、耐熱性に優れる。元来、不燃耐熱接着剤として開発されたため、火災(耐3200℃)や地震時(不燃)にも安心。
  • 強い接着性能を持たせて製品化したため、剥離の心配は全くなく、時間経過による劣化がない。
  • 一液性なので、作業効率性がよい。

市場について

主なターゲット・市場の規模

各種学校や市町村の公的建築構造物、公共施設などの建物から民間の施設、ビルのエレベター室・電機室・機械室・駐車場・マンション等、未だに多くの場所にアスベストは存在する。

【当社のターゲット】

当社は、開発型小規模企業として、そのドメインを着実に守って経営を進めているため、その理念に照らして、いたずらに全国的なマーケットに打って出ることはしない。むしろ、当社の技術を高く評してくれる数社に技術移転をする計画である。従って、開発理念を共有いただけ、企業の社会的責任(CSR)を理解している建築会社、除去工事専門会社である。

市場での競争力

市場が拡大している現状の早い段階で、中長期契約を行い、市場競争力のある「次の」アスベスト対策商品開発に着手する計画である。それは、契約企業にたいする「競争力」ということでの責任でもある。既に「次の」開発は始まっている。

実現性について

実施スケジュール

2010年5・6月 企業マッチング(可能性のある、まず1社との契約を目指す)第1次募集 当社A液製品開発(A液+B液に分離)/工業製品化を目指す
7月 基本契約(相手先・B液開発)に合意。同時に各種展示会、紹介、問合せ等で、第2次募集の可能性を探る。
8〜10月 契約会社支援プロジェクト立上げ、ビジネスモデル構築、施工マニュアル整備
9月 A液商品化(当社量産化開始)、B液商品化(契約社)
9月〜3月 第2次募集 実証実験(契約者/大臣認可に向けて)ビジネスパートナー制度導入

実施場所

提携工場(未定、検討中)・販売部門(未定、首都圏)

実施体制(従業員等)

4名
研究開発型の会社であるから、正職員は堅実に計画。

ビジネス・パートナー

現段階でのパートナー候補者
仙台・秋田・山形・新潟・長野・山梨・埼玉・東京・神奈川・岐阜・名古屋・奈良・大阪・三重・熊本の方が存在している。

リスクとその管理

  • 身の丈以上の借入をしない
  • 組織を大きくしない
  • 関わった人全てがハッピー/危機管理事項

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