かわさき起業家オーディションビジネス・アイデア シーズ市場 第68回最終選考会(2010年12月4日開催)
Entry.4
ミス探シート(みすさがしーと)
株式会社佃野製作所
成田 幸一(ナリタ コウイチ)
【神奈川県秦野市】
かわさきビジネスアイデア・シーズ賞
りそな神奈川応援賞
【発表者:成田 大輔 氏】
ものづくりの製造記録をチェックするシステムを開発し、販売します。 現在、航空機産業の仕事をする上で、お客様から要求されていることは、トレーサビリティです。 そこで、今回ご提案させていただくシステムは、現在弊社がトレーサビリティに取り組んでいる中で一番コストが発生している工程を如何に簡略化し、コスト競争力を出せるかを考えました。現在一番時間を要している工程は、製造記録の整合性チェックです。具体的には、材料証明書、作業手順書、検査成績書、在庫生産表、お客様からいただく作業手順書があります。これらの記録は日付・名前・数量・寸法などの作業工程、またその他の生産情報など多いと約200箇所を全て手書きで記入しており、全ての記録に関連性を持たせなくてはなりません。そのため、同じ情報を別々の記録用紙に何度も記載しなくてはいけなく、これを誤ってしまうと全ての関連性が失われてしまい、トレーサビリティを保障できなくなります。しかし、人が書いているものなので、どうしてもヒューマンエラーが発生してしまいます。このエラーを発見するために、現在は二人がかかりでチェックを行っていますが、それでもお客様に提出後に発見されるケースがあります。また、お客様も膨大な書類をチェックするために、書類チェック専門の部署をわざわざ設けているのが現実です。 これらの手間を少なくするために、現在提出している記録を記入後、1製品単位で全てスキャナーで取り込みます。そして、事前に同一値でなくてはならない項目をシステム側で登録し、OCR(光学式文字読取装置)で取り込んだデータの整合性をチェックします。不適合が発生した際には具体的な箇所と理由をビジュアル的に出力し、改善を促します。整合性が全てとれた書類に関しては、データベースに登録し、生産情報などのキーワードで検索できるようにします。
現在、製造業でのトレーサビリティを管理できるシステムはほとんどありません。既存システムは工程を履歴として表示することはできますが、それらのデー タをお客様の要求事項に合わせ、提出書類として出力できるものは存在していません。どうしても作業現場での協力が必要なため、手書きで記入しなくては ならない箇所、または、手書きのほうが効率良い箇所が存在します。そのため、最終的には人がチェックを行うことになるので、今回提案したシステムは必 ず必要になります。 そこで、今回のシステムを利用することにより、提出しなければならない書類の整合性を事前にチェックし、自社のトレーサビリティの信頼性をお客様にア ピールすることができます。
航空・宇宙業界に特化したいと考えております。 全世界のジェット機の運航機数は20年後には約2.3倍の36,000機程度の需要予測がされています。
トレーサビリティのための記録類は手書きでの記入がほとんどです。このヒューマンエラ ーをチェックするシステムは他には無く、大手ソフトメーカーもこのようなシステムを販 売しておりませんので、これを武器に新規受注につなげることが可能です。
2011年3月までに仕様を固め、製作に移る。 2011年6月には試作品を完成させ、弊社で試験運転を行う。 2011年10月より販売開始。
本社
2名
システム製作会社
お客様要求事項により、フォーマット変更や項目の追加などが頻繁に起こる可能性があります。 そのため、いかに汎用性を持たせるかが必要です。 また、根本的にヒューマンエラーが起こらないように、できるだけ人の手を介入させないシステムづくりが将来必要になります。
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