かわさき起業家オーディションビジネス・アイデア シーズ市場 第69回最終選考会(2011年2月4日開催)

Entry.5


ビジネスアイディアのテーマ

ビジネスとして目指す障害者の自立
〜美女しいたけ栽培事業による農業と福祉の活性化〜

ビジネスアイデアの提案者

企業組合アップル工房イイダ

今村 忠弘(イマムラ タダヒロ)

【長野県飯田市】

かわさき起業家大賞

会場応援賞

今村 忠弘さん

 

ビジネスアイディアの概要について

美女しいたけ障害者の就労の場については、授産施設、福祉作業所が福祉面で受け入れの中心となっていますが、その平均賃金は月額10,400円(長野県2008年度)であり自立には程遠いのが現状です。また、一般企業での障害者就労は、福祉施設とでは仕事に対する考え方、厳しさが大きく異なり、そのギャップからステップアップできる人材が限られており、法定雇用率に未達の企業もまだまだ多いのが現実です。

このギャップを埋めるべく、障害者福祉施設の認可を受けて福祉面も十分ケアしながら、更にビジネスとして障害者中心の職場を作り上げる事が今回の目的です。その為には、障害者に作業が可能で、かつ福祉バザーに出展するような商品でなく一般に競争力のある商品を扱う事が重要となります。

この菌床しいたけ(オリジナルブランド美女しいたけ)の栽培事業は上記条件に当てはまります。
栽培については全国でも栽培農家が少ない、希少なしいたけ菌を使用し、全国初の大型のムロ形式による施設栽培で、年間通じて高品質なしいたけの栽培をおこないます。技術的専門性が高い菌床(しいたけの生える元)作りは、外部の専門メーカー(千葉県:鰍ゥわきたファーム)と提携、委託し、当社では栽培、収穫、選別、梱包、発送作業をおこないます。また、栽培の中で技術が必要となる温度、湿度、水、空気管理は健常者の技術者がおこなう事で、それ以外の作業は全て障害者にて可能な形にします。

働く障害者も三障害(身体、知的、精神)全てを受け入れ、それぞれの障害特性に合わせて役割分担することで作業を成り立たせていきます。これにより、障害者が安定して働く場所ができ、地域で自立していく事が可能です。

また、この事業は施設栽培の為、地域を限定せず取り組めるもので障害者就労のモデル事業にしたいと考えています。

新規性・優位性について

・市場流通がほとんどしていない、短期栽培、味にこだわりのしいたけ菌及び菌床を用いて栽培をおこないます。
  味にこだわり、他に無いしいたけとして、現在スーパーとの契約8社、提案からの契約率100%です。
  (オリジナルブランド商標 「美女しいたけ」商標登録「第5324955号」
  一般的なしいたけ栽培は年間2〜3回転に比較し、年間7〜8回転栽培をおこないます。
・年間通じて安定栽培できる事によりスーパー、飲食店等との直接契約栽培が可能です。
  通常、しいたけは通年の安定栽培が難しく、一般的にスーパーさんは契約栽培をしていないところが多いです。
・全国初、大型のムロ形式の栽培施設で、通年品質が揃ったしいたけの栽培をおこないます。
  建物を建てず、土を掘って半地下の栽培施設にすることで、温度、湿度が通年安定します。(農産物生産建屋   
  構造 特許出願中 「特願2009-284473」)
・障害者中心の職場作りをおこないます。
  身体、知的、精神の三障害全てを受け入れ、障害特性に合わせた役割分担で障害者による作業の完結をします。

市場について

主なターゲット・市場の規模

・味にこだわる商材を求めるスーパー
 飲食店、ホテル、レストラン、業務用青果店との直接契約
・生しいたけの市場は年間約750億円
 本ビジネスでは1施設年間7000万円を目標

 

市場での競争力

・しいたけの味の良さは抜群で、他の菌床しいたけと比較して高い競争力を持つ。
・多くのスーパーのバイヤーより、「今までこんな美味しい菌床しいたけは食べた事が無い」といっていただだいて
 おり、現状では商談からの契約率100%である。

実現性について

実施スケジュール

・平成21年1 月 事業企画スタート
・平成21年6 月 事業準備スタート、設備工事、組織作り等
・平成21年8 月 試験栽培スタート、まず全体の1/3の面積より開始
・平成21年11月 全面積による栽培スタート、当初3年は栽培ノウハウの安定化研究開発をおこなっています。
・現      在 栽培、販売と合わせて、栽培ノウハウの向上、障害者中心の事業所として展開に必要な運営
           ノウハウの確立について研究開発中。

実施場所

・長野県飯田市座光寺1419−1
・ノウハウ確立後、他地域への展開をおこなう予定。
 障害者を雇用する事が条件で希望する地域、行政や事業所へノウハウを提供、展開を予定。

実施体制(従業員等)

・健常者(栽培管理技術者、職業指導員、生活支援員):6名
・障害者(栽培、収穫担当者):12名 (選別、パック、出荷担当者):13名   合 計…31名

ビジネスパートナー

・鰍ゥわきたファーム(千葉県):しいたけ菌床生産、栽培技術アドバイザー
・伊坪ビジネス梶i長野県):栽培施設づくりコーディネイター
・生産:全国の障害者福祉施設または障害者雇用に関心のある企業(現在募集中)
・販売:飲食店チェーンや青果専門商社等で障害者福祉に関心のある企業(募集中)

リスクとその管理

・しいたけ栽培ノウハウが研究中の為、栽培が上手くいかず受注量に足りない時
  ⇒鰍ゥわきたファームの栽培施設から、収穫済みしいたけを仕入る事で対応
・菌床の仕入先がオープンになった場合の競合発生のリスク
  ⇒かわきたファームの社長が開発に携わった菌を使用しているため、優先供給の契約を結ぶ事によりリスクを   低減する
・将来的なリスクとして菌床の供給が途絶えると、このビジネスは成り立たない
  ⇒鰍ゥわきたファームと合同で、当社事業向け菌床生産工場を設立し、菌床生産まで内製化する

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このページの内容は、受賞者の文責による最終選考会プログラム(当日配布)の内容を転載したものです。
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