かわさき起業家オーディションビジネス・アイデア シーズ市場 第78回最終選考会(2012年7月27日開催)

Entry.5


ビジネスアイディアのテーマ

未だに大半が廃棄されている廃食油を日本のエネルギーとして活用する。

ビジネスアイデアの提案者

ia corporation株式会社

朝比奈 巖 (アサヒナ イワオ)

【横浜市泉区】

かわさき起業家賞

朝比奈 巖 さん

 

 

ビジネスアイディアの概要について

・使用済み食用油(廃食油)は環境意識の高まりから、リサイクルへ向けてさまざまな取り組みが行われてきた。当初は河川への汚染を防ぐ目的から、NPOなど有志の方々を中心に石鹸・ろうそくに変える運動となった。また近年ではバスやトラックなどの燃料としてBDFという燃料化が、日本全国で取り組まれている。                                                              
・しかし、未だに廃食油の大半が廃棄されているのが現状である。それは回収するのに多くのコストが掛かり、今までの方法ではリサイクルをしても採算が合わず、継続できないことに根本の原因がある。                                 
・そこで、できるだけ単純にコストや手間をかけることなく、廃食油の特性を生かすリサイクルの方法を考えた時、石油との微細混合法によるエネルギー化にたどり着いた。石油の力を半分借りるが、溶け込んだ廃食油は石油と同等の働きをして燃焼する。この方法を用いて、日本の資源発掘に繋げていきたい。

新規性・優位性について

我社が開発したバイオ新燃料は、家庭や飲食店などから出される廃食油を回収し、酸化、劣化物を除去・精製して主に灯油との混合比を50:50又は40:60の割合で混合し、超音波照射法によって完全に分散、溶解した新規商品である。特徴は1:灯油、軽油と同じ物理化学的性質を示し、発熱量が同じで、硫黄分が10ppm以下である。
2:植物由来の油を50%以上含むので、CO2削減効果が高く、また製造にほとんどコストが掛からず、安価に市場に提供できる。
3:日本国が行っているグリーン電力発電のその燃料として承認され、環境への貢献度は極めて高い。

市場について

主なターゲット・市場の規模

利用対象は、ディーゼルエンジンによる自家発電、重油、灯油を燃料としているボイラーである。現在廃棄されている廃食油を燃料化できただけでも、90万KLの燃料を製造することができ、700億円超の売上が見込まれる。  

市場での競争力

石油よりも安価に提供することができ、熱量も変わらず、CO2が50%以上削減できることから、実績を含め、信用力を高めて大きく優位性を保つことができる。社会的信用性の面では、グリーン電力証書を発行し事業者の環境マネジメントへの貢献も極めて高い。

実現性について

実施スケジュール

製造所の建設はH24.6/1より開始し、量産に向けて設備建設は着々と進行中である。7/25には完成予定。当初75KL/月の製造量から月々7KLの増産を予定しており、2年後のH26年度までには300KL/月を達成する予定である。

実施場所

横浜市金沢区鳥浜13-14(金沢工業団地内)にて製造・販売を開始する。

実施体制

回収員2名、製造作業員2名、配送員1名が当初の人員配置であるが、量産に伴い回収員5名、製造員3名、配送員3名とする。

ビジネスパートナー

回収は公共性が高いため、自治会、行政との連携が必要となる。また使用先は自家発電の事業者で、市民に還元できる病院などと連携する。

リスクとその管理

危険物を扱うために、火災、漏洩などの事故を未然に防止するため、運用基準をきちんと作り、また自動化できるものは自動化して、エラーを無くすシステムを作る。

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