かわさき起業家オーディションビジネス・アイデア シーズ市場 第80回最終選考会(2012年12月7日開催)

Entry.4


ビジネスアイディアのテーマ

高出力、高効率、車両用小型発電機の実用化 

ビジネスアイデアの提案者

エスケー・テック株式会社

河村 英男 (カワムラ ヒデオ)

【東京都渋谷区】

かわさき起業家大賞

KSP創業支援賞

はまぎん賞

川崎商工会議所会頭賞

かわさき中小企業診断士クラブ応援賞

会場応援賞

河村 英男 さん

 

 

ビジネスアイディアの概要について

 発電機の効率を向上するため、永久磁石式発電機が開発されてきたが、回転変動に伴う電圧変動を一定電圧に制御する装置が複雑、高価であったので、その制御装置を簡略化し、安価とする事に成功した。しかし、自動車、風力、水力発電機等への実用化を検討すると低速で出力が出なかったり、発電機の大きさが大き過ぎ、搭載出来なかったりの問題が発生した。そこで、簡単なスイッチにより巻き線の長さを切り替え低速出力増加させたり、巻き線の巻き方を工夫する事により、2倍の出力を得ることに成功した。この高効率、高出力、小型発電機を自動車に搭載し、先ずは高性能冷凍車を製作し、事業化する事にした。
 従来、日本の市場ではエンジンに取り付けた機械式コンプレッサーにより、冷媒をコンデンサーに送り、冷気を作成したが、エンジンのアイドリング状態では出力が小さく、ドライアイス等の補助により、性能を確保していた。本提案の発電機では機械式の4倍の出力が得られるので、冷凍性能が格段に向上できた。近年、世界の人口が七十億人を超え、食糧事情が悪化する中で、食糧品質を保つ輸送は極めて重要である。更にこの技術を風力、水力発電機に応用し、自然エネルギーの増加に役立てる。

新規性・優位性について

永久磁石式発電機の電圧一定の制御を1個のトランジスターで行う技術、3相交流巻き線の中点と途中に簡単なスイッチを置き、巻き線の長さを自由自在に変更し、低速での出力を増加させ、発電電圧の異常上昇を抑制させる技術は既に特許登録され、巻き線の巻き方を位相的にずらし、発電電力を2倍にする技術は、実施例が無いので特許出願された。これらの技術により、コストは1/2以下、アイドリング出力は4倍、大きさは1/2 以下と圧倒的優位性を得る事が出来た。その結果、例えば、漁場で獲れた魚を電気冷蔵のコンテナに保存し、車両では当社の冷凍装置に接続、輸送し、市場に提供する理想的方式を実現出来る。

市場について

主なターゲット・市場の規模

@ 冷凍車:新車製造34,000台/年 使用過程車(電気式に乗せ換え)400,000台
A 電動で使いたい作業車: 62,000台/年
B 小型風力、水力発電機:20,000基
C 中国政府が予想する冷凍車 4,000,000台/10年 

市場での競争力

新技術である3つの特長は現在市場に出回っている発電機と比較し、コスト、性能、効率、大きさで優れ、圧倒的競争力を持つ。また、これらの技術は既に特許登録され、国際特許の出願もされているので、市場での競争力が確保されてる。また、多くの技術ノウハウについては制御装置のCPUに収められ、技術流出が無い様、極力工夫を凝らした。製造企業は技術に精通している企業に依頼するので競争力が得られる。

実現性について

実施スケジュール

冷凍車については発電機、制御装置が既に完成し、冷凍車に組み込まれ、実験が完了したので、量産に向けての品質確保、耐久試験を実施し、25年5月より、出荷を始める。風力発電機、水力発電機については25年8月より、サンプル機を出荷する。発電機単体の出荷は要求企業の要望を取り入れ、25年6月より、出荷する。

実施場所

装置の実験、耐久試験は相模原市の当社技術開発センターで、品質管理、出荷管理は川崎市駅前本町の川崎商工会議所内の当社支社にて実施する。

実施体制

技術の基本的な開発は相模原市にある当社技術センターに在職の4名の技術者が行い、販売促進、営業はSKテック販売の3名が当たる。品質管理、出荷管理は新規に4名を増員の予定。

ビジネスパートナー

@国内の発電機製造は相模原市の鈴吉製作所、四日市市の河村産業
A制御装置は福島県東白川郡の谷電機 
B実車への実装川崎運送(川崎市)C台湾の販売戦略はITRI 製造はMobiletron,販売はWitty 社に依頼する。

リスクとその管理

@設備投資等の資金を抑えるため、部品製造は極力専門メーカーに依頼する。
A技術開発は全 て自力で実施し、技術の陳腐化を防ぐ事とする。
B開発の中心である河村から若手技術者への技術移転を急ぐ。
D中国については台湾経由で輸出する事にし、ITRI(台湾の巨大技術開発研究所)と提携をした。

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