かわさき起業家オーディションビジネス・アイデア シーズ市場 第84回最終選考会(2013年7月26日開催)
Entry.2
『放射線コリメータ 〜より軽く・効率的に〜』
株式会社オオスミ
大角 武志 (オオスミ タケシ)
【横浜市瀬谷区】
かわさきビジネス・アイデアシーズ賞
城南信用金庫賞
東日本大震災後の福島において放射性物質除去工事を行うにあたり、工事前後の放射線量を確実に測定し工事の効果を正確に表すことが必要である。それには周辺からの放射線量の影響を排除して施工した箇所のみを測ることが大切である。このために測定機器に装着する「コリメータ」の従来品は鉛で作られており、重さが約10kgと非常に重く、作業の効率を阻害する要因となっていた。 また、直接土壌などに触れることで劣化した製品からの鉛が土壌に流出する「鉛汚染」も今後問題となってくると想定される。 今回開発した弊社の「コリメータ」は、樹脂に金属を混ぜ込んだ素材で、重量が3kgと片手で壁などの横向き測定にも耐えられる重さになった。価格もリーズナブルに抑えることで、本製品が除染工事現場での線量確認作業で広く使われることで効率的に測定が進行し、除染が少しでも早く終了することを望む。
従来製品は鉛や金属を主原料とした製品であるのに対し、弊社製品は「ゴムに金属を練りこんだ」樹脂製品であり、その技術は他製品では開発されていない。樹脂を原材料とすることで鉛製品の約1/3の重量とすることを可能とした。また、製品をゴムで覆うことで製品中の重金属が外部に漏れ出ることを防止した。
ターゲットは放射性物質除染業務を受託した測定業者、ゼネコン、関連研究機関等。現状の製品からの買い替えを想定。長期間使用できる製品であることと目的とする除染業務の性質から想定して3年〜5年で一気に販売することを念頭においた方法で行う。市場規模は1年目で約4億。
すでに鉛製品を利用している業者はあるものの、コリメーターの利用についての理解も完全にされていない状態の市場である。市場の性質から国・行政・関連団体のお墨付きや実績が購入の大きな動機づけとなることから直接のPRと学会や国・行政への働きかけと両方向での営業を行うことにより市場のシェアを確保する。
平成25年5月より除染現場への営業開始。平成25年7月 地盤工学研究発表会にて論文発表。
本社、川崎支店、東京支店、東北支店、福島支店とする
実施は開発担当者および営業グループメンバーとする。
除染事業者への営業のひとつのルートとしてレンタル会社との共働可能性あり。
販売後の修理などメンテナンス体制。不適切な使用方法による怪我などでのクレーム対処方法。(対応実施済み)
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