第90回最終選考会(平成26年7月25日開催)
ビジネスアイディアのテーマ
ビジネスアイディアの概要について
日本製造業は伸び悩んでいるものの、それを打破する革新的な手法が数多く存在し、成果を上げています。しかしこれらに関連する情報は、これまで専門家の暗黙知としてあるいは書籍やWeb上でばらばらに提供されており、体系的に活用できる仕組みが不十分でした。 そこで本サービスは、近年注目されている品質工学、QFD、TRIZ、制約理論はじめ140もの手法を、製造業が抱える課題別に整理して紹介し、課題解決とプロセス革新に活用してもらおうとするものです。 事業の趣旨に賛同する製造系専門家が提供する情報は、(1)手法の解説、(2)活用事例の紹介、(3)セミナー案内、(4)Q&A、(5)手法学習DVD、(6)専門家紹介、(7)個別質問からなり、ユーザーは多彩な方法で学習、実践することが可能です。 事業収益としては、専門家からの協賛金(定額と業務受託時の成果報酬)と、広告料、DVD売上げです。提供する情報量の増加で利用者の利便性を向上させ、製造業のプロセス革新に貢献していきます。
新規性・優位性について
多くの情報サイトや専門家マッチングサイトがある中で、本サービスは製造業のプロセス革新に焦点を絞った点が大きな特徴であり、さらにユーザーの質問に対して専門家が応える点は他に類を見ない新規性を持っています。 本事業の中心である、課題に対して有効な手法に導くサービスは、当社代表が独自に開発した「ものづくり工学マトリクス」を基に構成されており、他社のサービスとは一線を画します。 前職での30年に渡る製造業の就業経験に加えて、技術士および技術経営修士(専門職)としての知識と広い人脈を有することが、競合に対する大きな参入障壁となっています。
市場について
主なターゲット・市場の規模
潜在的な顧客は製造業を営む全企業とそれを支援する専門家達ですが、その中でも向上意欲の高い中堅企業と独立系コンサルタントが主たる顧客層となります。
国内製造業の年間出荷額は約300兆円であり、その中で技術的専門家サービスに支払う市場は1兆円以上になると想定します。そこで3%の案件に関わり10%の成功報酬を獲得すれば30億円の収益が見込まれます。
市場での競争力
直接の競合はありませんので、早急に認知度を上げて、革新プロセスや外部専門家を活用する文化を産業界に育てる事が最大の課題です。他のものづくりポータルサイトや一般の情報・マッチングサイトそして関連学協会、地方自治体、企業、さらには影響力の大きい個人や海外機関との連携を強めていく事がキーポイントと考えます。
実現性について
実施スケジュール
2011年10月に当社を設立して準備を開始し、12年3月にサービスを一般公開しました。現在は、登録専門家70名、一般会員1600名、月間6万PVですが、有力専門家の勧誘、コンテンツの拡充、プチ相談機能開設、セミナーポータル機能の強化などを進め、3年後にそれぞれ500人、1万人、50万PVを目指します。
実施場所
当初より山梨県のインキュベーション施設を利用しています。都心に移設すれば利便性が格段に向上しますが、地方発ベンチャーにこだわって頑張ります。
実施体制
経費節減のため、ほぼ独力で進めてきました。システム開発と一部の営業・編集活動を知人に、デザインはクラウドソーシングを利用しています。1月から榊原健太郎さんが社外取締役で参加。資金状況を見ながら増員していく予定です。
ビジネスパートナー
飯田伸司氏(システム開発)、サムライインキュベート社(投資と事業指導)、サイバーエージェントクラウドファンディング社(専門家支援)、日本経営工学会/日本創造学会(広報協力)、日刊工業新聞社(講師派遣)、MONO(セミナー共催)など
リスクとその管理
サービスの利用者増加が不十分の場合、専門家の登録、広告ともに拡大せず資金枯渇のリスクがあります。ビジネスコンテスト、メディア、SEO、SNS、口コミ、関連組織とのコラボレーションなどあらゆる手段を使って認知度の向上を図り、コンテンツの充実とともにアクセスの増加を図ります。