第96回最終選考会(平成27年7月24日(金)開催)
ビジネスアイディアのテーマ
ビジネスアイディアの概要について
10 年後65 歳以上の5 人に1 人が認知症になるというショッキングな統計が明らかになった。それに対して、2015 年1 月に厚生労働省より『認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)』が発表された。
当社は起立負荷時の心拍変動解析による自律神経機能検査の研究、開発、製造、販売を主業務としている。
自律神経機能は中枢の神経伝達物質によって決定されるが、認知系機能も同じ神経伝達物質によって決定されているという研究報告が近時なされている。自律神経機能検査として採取している10,000 データの解析から基準値、標準値、異常値に分離できることを発見した。計測データの神経伝達物質の量、起立に対する変化を捉えると、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症が分かるということを発見した。
認知症の感度、特異度の究明と、早期発見の閾値を究明することにより、認知症早期発見に大いに貢献できると確信した。認知症早期発見が可能になることにより予防市場が大きく成長し、国家戦略と合致する。
新規性・優位性について
起立負荷(体位変換) により神経伝達物質の変化を捉えるという発想はなかった。
認知症の診断はMRI、CT による画像診断しかないのが現状である。MRI、CT の導入費は数百万円、数千万円という高価なものであり、診断費用も一件当たり10 万円近くを要する高価なものである。
それに対し、提案機器は導入費1.5 百万円、検査料千円以下の廉価なものであり、価額的に圧倒的優位にある。また、現在の画像診断の感度は60% 台と低く、提案検査での感度、特異度はそれを大きく上回り優位にあるものと思われる。計測は着衣のままの非常に簡便な検査であり、この点でも優位にある。
市場について
主なターゲット・市場の規模
・厚生労働省
・新オレンジプランにある認知症疾患医療センター500 施設、かかりつけ医60,000人が早期発見の第一次市場である。
・早期発見市場の成熟とともに予防市場が立ち上がる。予防市場の主なターゲットは薬局57,000 軒)、保健所(500 か所)、介護施設(8,000 軒)、スポーツジム(3,500 軒) などである。
市場での競争力
・現状、MRI、CT による画像診断しか方法がない。
・画像診断は感度、特異度が低い。
・導入費は数百万円から数千万円。検査料は、10 万円程度という高価なものである。
・本提案機器は、感度、特異度が高く、導入費は廉価で、検査料も廉価である。
・検査法も簡便であり市場での競争力は高い。
実現性について
実施スケジュール
・大学
・研究者による可能性評価
・感度、特異度究明のための研究会を発足させる
・簡単な検査であり入院患者等の検査によりN 数は短期間(3 ~ 5 ヶ月)で確保される見込みである。
実施場所
大学病院等を中心に5カ所を想定